信州に、ずっと前から行ってみたい美術館がありました。
上田にある「無言館」。
軽井沢に赴任したのも何かの縁。上田は比較的近いし、有名な別所温泉や
由緒ある神社仏閣もあります。
この言葉、あまり好きでないけれど「信州の鎌倉」の異名も。
旅のあはれを知るにはこの上ないエリアです。
7月後半のとある日、別所温泉がどんな泉質かという興味もあり行ってみました。
軽井沢からは、高速を使わなくても約1時間ほどで「無言館」に到着します。

「無言館」は、別所温泉のある塩田平とよばれる田園地帯の丘陵地の頂にあります。
外観は中世のヨーロッパの僧院を思わせる荘厳なたたずまい。
とてもユニークな美術館で、第二次世界大戦中、志半ばで戦死した画学生たちが残した絵画や手紙、 愛用品等を収蔵、展示しています。 これから活躍を期待されていたにもかかわらず、戦争に身をささげなければならなかった 若者たちの思いがいっぱい詰まっています。


館主は、作家故水上勉(みずかみつとむ)氏のご子息の窪島誠一郎氏。
私財を投じて平成9年にオープンしたそうです。
作品を前にすると、通常の美術館とはずいぶん違う気分にさせられました。
重いとか苦しいとかそういった気分ではなく、真摯な気持ちといった方がいいんでしょうか。
生きたい、生き延びたいという強い思いが、絵に封印されているからなのでしょう。
そこにあるのは作品ではなく、紛れもなく「戦争」そのものなのかもしれません。
戦争を知る世代も次第に少なくなりつつある今、終戦記念日を迎える8月に行かれて
みてはいかがでしょうか。とても心落ち着く美術館です。

第二展示館には素敵なライブラリーも併設されてます。無垢の木のテーブルと椅子に
こだわりを感じます。気にいった本を探し、しばらくそこに座っているだけでも、
「高原ですごす正しい夏休み」なのだ的雰囲気が漂ってきそうです。

ここにとてもいい詩が飾られていたのでご紹介しておきますね。(まぶしくてごめんなさい)

「無言館」
●開館時間: 9時~17時(7~9月は18時まで)
●入 場 料: 1000円(小中学生無料)
●地図はこちら